○潟上市情報公開条例
平成25年12月20日
条例第35号
潟上市情報公開条例(平成17年潟上市条例第10号)の全部を改正する。
目次
第1章 総則(第1条―第4条)
第2章 公文書の開示(第5条―第17条)
第3章 審査請求(第18条―第20条)
第4章 雑則(第21条―第26条)
附則
第1章 総則
(目的)
第1条 この条例は、潟上市自治基本条例(平成24年潟上市条例第11号)の自治の基本原則にのっとり、市が保有する情報は市民共有の財産であるとの認識に立ち、公文書の開示を請求する権利及び市政の諸活動について説明する責任を明らかにすることにより、市民の市政への参画を一層促進し、公正で開かれた行政運営の確保と、市民の市政に対する理解と信頼の増進に寄与することを目的とする。
(定義)
第2条 この条例において、次に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。
(1) 実施機関 市長(水道事業及び下水道事業の管理者の権限を行う市長を含む。)、教育委員会、選挙管理委員会、監査委員、農業委員会、固定資産評価審査委員会及び議会をいう。
(2) 公文書 実施機関の職員が職務上作成し、又は取得した文書、図画、写真、フィルム(マイクロフィルムを含む。)及び電磁的記録(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によっては認識することができない方式で作成された記録をいう。以下同じ。)であって、当該実施機関の職員が組織的に用いるものとして、当該実施機関が保有しているものをいう。ただし、次に掲げるものを除く。
ア 官報、白書、新聞、雑誌、書籍、広報紙その他一般に容易に入手できるもの又は一般に利用することができる施設において閲覧に供されているもの
イ 図書館、資料館等において、歴史的若しくは文化的な資料又は学術研究用の資料として特別の管理がされているもの
(3) 開示 公文書を閲覧に供し、又はその写しを交付することをいう。
(実施機関の責務)
第3条 実施機関は、公文書の開示に当たっては、市民の公文書の開示を求める権利を十分に尊重するとともに、個人に関する情報がみだりに公にされることのないよう最大限の配慮をしなければならない。
2 実施機関は、公文書の管理の重要性を深く認識し、この条例の適正かつ円滑な運用に支障が生ずることのないよう、公文書を適正に管理しなければならない。
(利用者の責務)
第4条 この条例により公文書の開示を受けた者は、これによって得た情報を適正に用いなければならない。
第2章 公文書の開示
(公文書の開示を請求できる者)
第5条 何人も、実施機関に対し、当該実施機関の保有する公文書の開示を請求することができる。
(開示の請求方法)
第6条 前条の規定による開示の請求(以下「開示請求」という。)は、次に掲げる事項を記載した書面(以下「開示請求書」という。)を実施機関に提出して行わなければならない。
(1) 開示請求する者の住所又は居所、氏名及び電話番号(法人その他の団体にあっては、事務所又は事業所の所在地、名称、代表者の氏名及び電話番号)
(2) 開示請求に係る公文書の名称又は内容
(3) 開示請求しようとする公文書を特定するために必要な事項
(4) 希望する開示方法
2 実施機関は、開示請求書に形式上の不備があると認めるときは、開示請求をした者(以下「開示請求者」という。)に対し、相当の期間を定めて、その補正を求めることができる。この場合において、実施機関は開示請求者に対し、補正の参考となる情報を提供するよう努めなければならない。
(公文書の開示義務)
第7条 実施機関は、開示請求があったときは、開示請求に係る公文書に次の各号に掲げる情報(以下「不開示情報」という。)のいずれかが記録されている場合を除き、開示請求者に対し、当該公文書を開示しなければならない。
(1) 個人に関する情報(事業を営む個人の当該事業に関する情報を除く。)であって、当該情報に含まれる氏名、生年月日その他の記述等により特定の個人を識別することができるもの(他の情報と照合することにより、特定の個人を識別することができることとなるものを含む。)又は特定の個人を識別することはできないが、公にすることにより、なお個人の権利利益を害するおそれがあるもの。ただし、次に掲げる情報を除く。
ア 法令若しくは他の条例(以下「法令等」という。)の規定により又は慣行として公にされ、又は公にすることが予定されている情報
イ 人の生命、健康、生活、財産又は環境を保護するため、公にすることが必要であると認められる情報
ウ 当該個人が公務員等(国家公務員法(昭和22年法律第120号)第2条第1項に規定する国家公務員(独立行政法人通則法(平成11年法律第103号)第2条第4項に規定する行政執行法人の役員及び職員を除く。)、独立行政法人等(独立行政法人等の保有する情報の公開に関する法律(平成13年法律第140号)第2条第1項に規定する独立行政法人等をいう。以下同じ。)の役員及び職員、地方公務員法(昭和25年法律第261号)第2条に規定する地方公務員並びに地方独立行政法人(地方独立行政法人法(平成15年法律第118号)第2条第1項に規定する地方独立行政法人をいう。以下同じ。)の役員及び職員をいう。)である場合において、当該情報がその職務の遂行に係る情報であるときは、当該情報のうち、当該公務員等の職及び氏名並びに当該職務遂行の内容に係る部分
(2) 法人その他の団体(国、独立行政法人等、地方公共団体及び地方独立行政法人を除く。以下「法人等」という。)に関する情報又は事業を営む個人の当該事業に関する情報であって、次に掲げるもの。ただし、人の生命、健康、生活、財産又は環境を保護するため、公にすることが必要であると認められる情報を除く。
ア 公にすることにより、当該法人等又は当該個人の権利、競争上の地位その他正当な利益を害するおそれがあるもの
イ 実施機関の要請を受けて、公にしないとの条件で任意に提供されたものであって、法人等又は個人における通例として公にしないこととされているものその他の当該条件を付することが当該情報の性質、当時の状況等に照らして合理的であると認められるもの
(3) 市又は国等(国、独立行政法人等、他の地方公共団体及び地方独立行政法人をいう。以下同じ。)が行う事務又は事業に関する情報であって、公にすることにより、次に掲げるおそれその他当該事務又は事業の性質上、当該事務又は事業の適正な遂行に支障を及ぼすおそれがあるもの
ア 監査、検査、取締り、試験又は租税の賦課若しくは徴収に係る事務に関し、正確な事実の把握を困難にするおそれ又は違法若しくは不当な行為を容易にし、若しくはその発見を困難にするおそれ
イ 契約、交渉又は争訟に係る事務に関し、市又は国等の財産上の利益又は当事者としての地位を不当に害するおそれ
ウ 調査研究に係る事務に関し、その公正かつ能率的な遂行を不当に阻害するおそれ
エ 人事管理に係る事務に関し、公正かつ円滑な人事の確保に支障を及ぼすおそれ
オ 市若しくは他の地方公共団体が経営する企業に係る事業又は独立行政法人等若しくは地方独立行政法人に係る事業に関し、その企業経営上の正当な利益を害するおそれ
(4) 市又は国等の内部又は相互間における審議、検討又は協議に関する情報であって、公にすることにより、率直な意見の交換若しくは意思決定の中立性が不当に損なわれるおそれ、不当に市民等の間に混乱を生じさせるおそれ又は特定の者に不当に利益を与え若しくは不利益を及ぼすおそれがあるもの
(5) 市と国等との間における協議、依頼、要請等に関する情報であって、公にすることにより、市と国等との協力関係又は信頼関係が著しく損なわれるおそれがあるもの
(6) 公にすることにより、人の生命、健康、生活、財産又は環境の保護、犯罪の予防、行政上の義務違反の取締りその他の公共の安全と秩序の維持に支障を及ぼすおそれがあると実施機関が認めることにつき相当の理由がある情報
(7) 法令等の規定又は実施機関が法律上従う義務を有する国の機関の指示により公にすることができないとされている情報
(部分開示)
第8条 実施機関は、開示請求に係る公文書の一部に不開示情報が記録されている場合において、不開示情報が記録されている部分を容易に区分して除くことができるときは、開示請求者に対し、当該部分を除いた部分につき開示しなければならない。ただし、当該部分を除いた部分に有意の情報が記録されていないと認められるときは、この限りでない。
(公益上の理由による裁量的開示)
第9条 実施機関は、開示請求に係る公文書に不開示情報(第7条第7号に該当する情報を除く。)が記録されている場合であっても、公益上特に必要があると認めるときは、開示請求者に対し、当該公文書を開示することができる。
(公文書の存否に関する情報)
第10条 開示請求者に対し、当該開示請求に係る公文書が存在しているか否かを答えるだけで、不開示情報を開示することとなるときは、実施機関は、当該公文書の存否を明らかにしないで、当該開示請求を拒否することができる。
(開示請求に対する措置)
第11条 実施機関は、開示請求に係る公文書の全部又は一部を開示するときは、その旨の決定をし、開示請求者に対し、その旨及び開示の実施に関し必要な事項を書面により通知しなければならない。
2 実施機関は、開示請求に係る公文書の全部を開示しないとき(前条の規定により開示請求を拒否するとき及び開示請求に係る公文書を保有していないときを含む。)は、開示をしない旨の決定をし、開示請求者に対し、その旨を書面により通知しなければならない。
(1) 本条を適用する旨及びその理由
(2) 残りの公文書について開示決定等をする期限
(事案の移送)
第14条 実施機関は、開示請求に係る公文書が、他の実施機関により作成されたものであるとき、その他他の実施機関において開示決定等をすることにつき正当な理由があるときは、当該他の実施機関と協議の上、当該他の実施機関に対し、事案を移送することができる。この場合において、移送をした実施機関は、開示請求者に対し、事案を移送した旨を書面により通知しなければならない。
2 前項の規定により事案が移送されたときは、移送を受けた実施機関において、当該開示請求についての開示決定等をしなければならない。この場合において、移送をした実施機関が移送前にした行為は、移送を受けた実施機関がしたものとみなす。
(第三者に対する意見書提出の機会の付与等)
第15条 開示請求に係る公文書に、市、国等及び開示請求者以外の者(以下「第三者」という。)に関する情報が記録されているときは、実施機関は、開示決定等をするに当たって、当該情報に係る第三者に対し、開示請求に係る公文書の表示その他市長が別に定める事項を通知して、意見書を提出する機会を与えることができる。
2 実施機関は、次の各号のいずれかに該当するときは、開示決定に先立ち、当該第三者に対し、開示請求に係る公文書の表示その他市長が別に定める事項を書面により通知して、意見書を提出する機会を与えなければならない。ただし、当該第三者の所在が判明しない場合は、この限りでない。
(2) 第三者に関する情報が記録されている公文書を第9条の規定により開示しようとするとき。
(開示の実施)
第16条 実施機関は、開示決定をしたときは、速やかに、開示請求者に対し、当該公文書を開示しなければならない。
2 公文書の開示は、実施機関が指定する日時及び場所において行う。
3 公文書の開示は、文書、図画、写真又はフィルムについては閲覧又は写しの交付により、電磁的記録についてはその種別、情報化の進捗状況等を勘案して市長が別に定める方法により行う。ただし、閲覧の方法による文書、図画、写真又はフィルムの開示にあっては、実施機関は、当該文書、図画、写真又はフィルムの保存に支障を生ずるおそれがあると認めるとき、第8条の規定により公文書を開示するとき、その他正当な理由があるときは、その写しにより、これを行うことができる。
(費用の負担)
第17条 公文書の開示に係る手数料は、徴収しない。
2 前条第3項の規定により公文書の写しの交付(電磁的記録にあっては、市長が別に定める方法を含む。以下この項において同じ。)を受ける者は、当該写しの作成及び送付に要する費用を負担しなければならない。
第3章 審査請求
(審理員による審理手続に関する規定の適用除外)
第18条 この条例により実施機関がした開示決定等又は実施機関に対する開示請求に係る不作為に係る審査請求については、行政不服審査法(平成26年法律第68号)第9条第1項の規定は、適用しない。
(審査会への諮問等)
第19条 開示決定等又は開示請求に係る不作為について審査請求があったときは、当該審査請求に対する裁決をすべき実施機関は、次の各号のいずれかに該当する場合を除き、速やかに、潟上市情報公開・個人情報保護審査会に諮問しなければならない。
(1) 審査請求が不適法であり、却下する場合
(2) 裁決で、審査請求の全部を認容し、当該審査請求に係る公文書の全部を開示することとする場合。ただし、当該公文書の開示について反対意見書が提出されている場合を除く。
2 前項の規定による諮問に対する答申を受けた実施機関は、当該答申の内容を尊重して、速やかに裁決を行わなければならない。
3 第1項の規定により諮問をした実施機関(以下「諮問実施機関」という。)は、次に掲げる者に対し、諮問をした旨を通知しなければならない。
(1) 審査請求人及び参加人(行政不服審査法第13条第4項に規定する参加人をいう。以下同じ。)
(2) 開示請求者(開示請求者が審査請求人又は参加人である場合を除く。)
(3) 当該審査請求に係る公文書の開示について反対意見書を提出した第三者(当該第三者が審査請求人又は参加人である場合を除く。)
4 第1項の規定による諮問は、行政不服審査法第9条第3項において読み替えて適用する同法第29条第2項の弁明書の写しを添えてしなければならない。
(1) 開示決定に対する第三者からの審査請求を却下し、又は棄却する裁決
(2) 審査請求に係る開示決定等(開示請求に係る公文書の全部を開示する旨の決定を除く。)を変更し、当該審査請求に係る公文書を開示する旨の裁決(第三者である参加人が当該公文書の開示に反対の意思を表示している場合に限る。)
第4章 雑則
(情報公開の総合的な推進)
第21条 市は、実施機関の保有する情報が適時に、かつ、適切な方法で明らかにされるよう必要な施策の充実を図り、情報公開の総合的な推進に努めるものとする。
2 実施機関は、この条例に定める公文書の開示をするほか、その他市政に関する必要な情報を、努めて提供するものとする。
(他の制度との調整)
第22条 法令等の規定により、何人にも公文書の閲覧若しくは縦覧又は謄本、抄本その他の写しの交付による開示が認められている場合には、第16条第1項の規定にかかわらず、当該文書について当該法令等が定める方法(開示の期間が定められている場合にあっては、当該期間内に限る。)と同様の方法による開示は行わない。ただし、他の法令等の規定に一定の場合には開示を行わない旨の定めがあるときはこの限りでない。
3 この条例の規定は、市の図書館その他の施設において、市民の利用に供することを目的として管理している公文書については適用しない。
(公文書検索資料の作成)
第23条 実施機関は、公文書の検索に必要な資料を作成し、一般の利用に供するものとする。
(運用状況の公表)
第24条 市長は、この条例の運用状況について毎年度公表するものとする。
(出資法人等の情報公開)
第25条 市が資本金、基本金その他これらに準ずるものを出資している法人であって、市長が別に定めるもの(以下「出資法人」という。)は、この条例の趣旨にのっとり、その保有する情報の公開に関し、必要な措置を講ずるよう努めるものとする。
2 指定管理者(地方自治法(昭和22年法律第67号)第244条の2第3項に規定する指定管理者をいう。次項において同じ。)は、この条例の趣旨にのっとり、当該指定管理者が行うこととなった公の施設の管理に関する業務について、その保有する情報の公開に関し必要な措置を講ずるよう努めるものとする。
3 実施機関は、出資法人及び指定管理者に対し、前2項に規定する措置を講ずるよう指導に努めるものとする。
(委任)
第26条 この条例に定めるもののほか、この条例の施行に関し必要な事項は、市長が別に定める。
附則
(施行期日)
1 この条例は、公布の日から施行する。
(経過措置)
2 この条例の施行の際この条例による改正前の潟上市情報公開条例第7条の規定により現にされている開示請求は、この条例による改正後の潟上市情報公開条例第6条第1項の規定によりされた開示請求とみなす。
附則(平成27年3月19日条例第8号)
この条例は、平成27年4月1日から施行する。
附則(平成28年3月22日条例第9号)
この条例は、平成28年4月1日から施行する。
附則(平成30年12月19日条例第26号)抄
(施行期日)
1 この条例は、平成31年4月1日から施行する。