○潟上市議会基本条例

平成25年9月12日

条例第27号

(目次)

前文

第1章 総則(第1条)

第2章 議会及び議員の活動原則(第2条―第5条)

第3章 市民と議会の関係(第6条)

第4章 議会と市長等の関係(第7条―第9条)

第5章 自由討議(第10条・第11条)

第6章 委員会の運営(第12条)

第7章 議会及び議会事務局の体制整備(第13条―第17条)

第8章 議員の政治倫理、身分及び待遇(第18条―第20条)

第9章 議会改革の推進(第21条・第22条)

第10章 条例の位置付け及び見直し手続(第23条・第24条)

附則

(前文)

市議会は、市長とともに市民の選挙により選ばれた議員によって構成される市民の代表機関です。

二つの代表機関は、議事機関及び執行機関として独立対等の立場にあり、それぞれの機能を生かし、市民の負託に応える責務を負っており、市民全体の福祉向上と地域社会の活力ある発展を目指すという共通の使命が課されています。

地方公共団体の自主的な決定と責任の範囲が拡大した今日、議会には、これまで以上に市長その他の執行機関(以下「市長等」といいます。)による適正な行政運営を確保するための監視及び評価、さらには政策立案及び政策提言の機能を一層強化する責務が求められています。

議会は、このような使命と責務を重く受け止め、積極的な情報公開と市民参加のもと、開かれた議会を通して説明責任を果たすとともに、議員間の自由な討議を展開しながら、市政の論点を明らかにして、政策の実現に努めなければなりません。

ここに、潟上市議会は、議会及び議員の活動原則等を明らかにし、議会と市民及び市長等の関係を定め、市民の信頼に全力で応えて行くことを決意し、議会の規範として、潟上市議会基本条例を制定します。

第1章 総則

(目的)

第1条 この条例は、二元代表制のもと、合議制の機関である議会の役割を明らかにするとともに、潟上市議会(以下「議会」といいます。)に関する基本的事項を定めることにより、市民の負託に的確に応え、市民に開かれた議会の推進を図り、活力と魅力あふれるまちづくりを実現することを目的とします。

第2章 議会及び議員の活動原則

(議会の活動原則)

第2条 議会は、次に掲げる原則に基づき活動しなければなりません。

(1) 公正性、透明性を確保し、市民に信頼される開かれた議会運営を行うこと。

(2) 市民を代表する議事機関として、適正な市政運営が行われているか監視及び評価機能を果たすこと。

(3) 市民の多様な意見を的確に把握し、市政に反映できるよう市民参加の機会の拡充に努めること。

(4) 合議制の機関として、議員間の討議を活性化し、政策立案及び政策提言の充実強化に努めること。

(議員の活動原則)

第3条 議員は、次に掲げる原則に基づき活動しなければなりません。

(1) 議会が言論の府であること及び合議制の機関であることを十分に認識し、議員間の自由な討議を尊重すること。

(2) 地域の課題のみならず、多様な市政の課題と市民の意見や要望を的確に把握し、市民全体の福祉の向上を目指して活動すること。

(3) 市民の代表として、誠実かつ公正に職務を遂行するとともに、政策立案及び政策提言能力の向上のため、自己研鑽に努めること。

(危機管理)

第4条 議員は、市民の生命又は生活に直接影響を及ぼす大規模災害等の不測の事態が発生した場合は、市民及び地域の状況を的確に把握するとともに、必要に応じて市長等に速やかに必要な要請を行うものとします。

(会派)

第5条 議員は、議会活動を行うため、会派を結成することができます。

2 会派は、政策を中心とした同一の理念を共有する議員で構成し、活動します。

3 会派は、政策立案、政策決定及び政策提言等に関し、必要に応じて他の会派と合意形成に努めます。

第3章 市民と議会の関係

(市民参加及び市民との連携)

第6条 議会は、市民に対し議会の活動に関する情報を積極的に公開し、市民に対する説明責任を十分に果たさなければなりません。

2 議会は、本会議のほか、常任委員会、議会運営委員会及び特別委員会(以下「委員会」といいます。)は、原則公開とします。

3 議会は、参考人制度及び公聴会制度を積極的に活用して、市民の専門的又は政策的識見等を議会の討議に反映させるよう努めます。

4 議会は、請願及び陳情を市民からの政策提言と位置づけるとともに、その審査において、必要に応じて提案者の意見を聴く機会を設けることができるものとします。

5 議会は、市政の諸課題に柔軟に対処するため、市政全般について、議員と市民が自由に情報及び意見を交換する場を設けるものとします。

第4章 議会と市長等の関係

(市長等との関係)

第7条 議会審議における議員と市長等との関係は、次に掲げるところにより、緊張関係の保持に努めなければなりません。

(1) 本会議における一般質問は、広く市政の課題に関する論点及び争点を明確にするため、一問一答方式で行います。

(2) 議長から本会議及び委員会に出席を要請された市長及び教育長は、議長又は委員長の許可を得て、議員又は委員からの質問に対し、質問趣旨の確認等のための発言をすることができます。

(3) 議員は、二元代表制及び住民自治の観点から、法令等で特別の定めがある場合を除き、原則として執行機関の附属機関等の委員に就任しないものとします。

(市長による政策等の形成過程の説明)

第8条 議会は、市長が提案する計画、政策、施策及び事業等(以下「政策等」といいます。)について、議会審議における論点を整理し、その政策等の水準を高めるため、市長に対して、次に掲げる事項の説明を求めるものとします。

(1) 政策等を必要とする背景

(2) 提案に至るまでの経緯

(3) 市民参加の実施の有無とその内容

(4) 総合計画との整合性

(5) 関係法令及び条例等

(6) 財源措置

(7) 将来にわたる効果と費用

2 議会は、前項の政策等の提案を審議するに当たっては、立案、執行における論点及び争点を明らかにするとともに、執行後における行政評価の視点も踏まえた審議に努めます。

(予算及び決算の審査における説明)

第9条 議会は、予算及び決算の審査に当たっては、前条の規定に準じて、市長に対し、施策別又は事業別の分かりやすい資料の提出及び説明を求めるものとします。

第5章 自由討議

(議員間の自由討議)

第10条 議会は、議案等の審議及び審査においては、議員間の自由な討議により議論を尽くし、合意形成を図るよう努めます。

(政策協議会)

第11条 議長は、市政に関する重要な施策及び課題に対して、議会としての共通認識の醸成を図り、合意形成を得るため、政策協議会を開催することができるものとします。

第6章 委員会の運営

(委員会の運営)

第12条 議会は、行政課題に適正かつ迅速に対応するため、委員会の専門性と特性を生かし、適切な運営に努めなければなりません。

2 委員会は、付託事件の審査等に当たっては、市民に対して情報公開を行うとともに、分かりやすい議論を行うよう努めます。

3 委員会は、所管にかかわる行政課題について、所管事項の調査(閉会中を含みます。)及び政策提案を積極的に行うものとします。

4 委員長は、委員会の秩序保持に努め、委員長報告を自ら作成するとともに、質疑に対する答弁も責任を持って行うものとします。

第7章 議会及び議会事務局の体制整備

(議員研修の充実強化)

第13条 議会は、議員の政策立案及び政策提言能力の向上を図るため、議員研修の充実強化に努めなければなりません。

2 議会は、前項の研修の充実強化に当たり、広く各分野の学識経験を有する者及び市民等との研修会を開催することができるものとします。

(議会事務局の体制整備)

第14条 議会は、議員の政策立案、法制、監視及び調査等の能力を向上させ、議会活動を円滑かつ効率的に行うため、議会事務局の機能の強化及び組織体制の整備に努めなければなりません。

2 議長は、前項の体制整備のため、専門的な知識及び豊富な経験を有する職員の配置に努めるとともに、職員の専門的能力の養成を行うものとします。

(議会図書室の設置、公開)

第15条 議会は、議会図書室を設置するとともに、これを議員のみならず、市民等の利用に供するものとします。

(広報・広聴活動の充実)

第16条 議会は、市民とともに歩み、市民に開かれた議会を実現するため、情報通信技術の発達を踏まえた多様な手段を活用することにより、議会活動に関する情報を積極的に公開します。

2 議会広報及び広聴の内容、あり方等については、常に検証し充実を図ります。

3 議会は、重要な議案等に対する各議員の賛否を議会広報で公表します。

(予算の確保)

第17条 議会は、二元代表制の趣旨を踏まえ、議事機関として監視、調査、政策形成機能を保持するため、必要な予算の確保に努めるものとします。

第8章 議員の政治倫理、身分及び待遇

(議員の政治倫理)

第18条 議員は、市民全体の代表者としてその高い倫理的義務が課されていることを常に自覚し、自己の地位に基づく影響力を不正に行使することによって、市民の疑惑を招くことのないよう、良心と責任感を持って行動しなければなりません。

(議員定数)

第19条 議員定数の条例を改正する場合は、行政改革の視点だけでなく、市政の現状と課題、将来の予測と展望及び議会の機能を十分に考慮の上、専門的知見並びに参考人制度及び公聴会制度を活用し、明確な改正理由を付して提案します。

2 議員定数の基準は、人口、面積、財政力及び市の事業課題を考慮するとともに、類似自治体の議員定数と比較検討します。

(議員報酬)

第20条 議員報酬は、潟上市議会の議員の議員報酬等に関する条例(平成17年潟上市条例第48号)の定めるところによります。

第9章 議会改革の推進

(議会改革推進会議)

第21条 議会は、議会改革に積極的かつ継続的に取り組むため、議員で構成する議会改革推進会議を設置するものとします。

(他の地方公共団体の議会との交流及び連携)

第22条 議会は、他の地方公共団体の議会と政策及び議会改革等について意見交換するため、積極的に交流及び連携を図ります。

第10章 条例の位置付け及び見直し手続

(他の条例等との関係)

第23条 この条例は、議会に関する基本的事項を定める条例であり、議会に関する他の条例等を制定し、又は改廃する場合においては、この条例の趣旨を尊重し、整合を図ります。

2 議会は、全議員でこの条例の理念を共有するため、一般選挙を経た任期開始後、速やかにこの条例の研修を行うものとします。

(見直し手続)

第24条 議会は、この条例の目的が達成されているかどうかを議会改革推進会議で検証するものとします。

2 議会は、前項による検証の結果に基づいて、この条例の改正を含む適切な措置を講ずるものとします。

この条例は、平成25年10月1日から施行します。

潟上市議会基本条例

平成25年9月12日 条例第27号

(平成25年10月1日施行)

体系情報
第2編
沿革情報
平成25年9月12日 条例第27号