地籍調査について
地籍調査とは?
人に関する記録として「戸籍」がありますが、同様に土地に関する記録を「地籍」といいます。地籍調査とはこの地籍を明確にするため、一筆(注釈1)ごとの土地について、所有者、地目(注釈2)、境界、面積等について調査、測量を行い、その結果を正確な地図「地籍図」と台帳「地籍簿」として取りまとめるものです。
(注釈1)一筆とは「土地登記簿上の一つの土地」という意味です。
(注釈2)地目とは土地の用途による区分のことで「宅地」や「田」など23種類あります。
地籍調査のメリット
地籍調査の実施によって、以下のようなメリットがあります。
1 土地境界をめぐるトラブルを未然に防止できます。
一筆地ごとの土地の境界が地権者の立会いのもとに確認され、その結果が数値データにより記録・保存されることによって将来の境界トラブルが未然に防止されます。
2 登記手続の簡素化、費用を減らすことができます。
地籍調査の成果を現地復元することにより、登記手続のための境界確認作業がスムーズに行われます。そのため、登記手続に要する費用も大幅に削減される場合があります。
3 土地の有効活用が進められます。
地籍が明確にされることにより、土地取引や開発事業の用地取得が容易になり、土地の有効活用をしやすくなります。
4 建築物を建てるときどのような規制が適用されるかはっきりします。
土地一筆ごとの境界を明確にした大縮尺の地図(500分の1)が作成されるため、建築物を建てるときに敷地にどのような規制が適用されるかはっきりすることができます。その結果、規制に関する相談や建築確認等の事務をスムーズに行うことができます。
5 公共事業の効率化・コスト削減が期待できます。
地籍調査を事前に行っていれば、公共事業で取得すべき土地の正確な境界や面積を知ることができ、地籍の状況を踏まえた計画を立てられます。また、すでに地権者によって確認された境界を現地復元することにより、円滑な用地取得が行われ、各種事業を進めるのに役立ちます。
6 公共物の管理がしやすくなります。
地籍調査を行うことにより、公共物の敷地の境界が明らかとなり、道路台帳などの各種公共物の台帳整備に役立ちます。また、官民境界を明らかにすることにより、境界確認申請への効率的な対応が可能になるなど市民の方の負担の軽減が図られます。
7 災害からの復旧がスムーズになります。
地籍調査によって、土地境界の位置が地球上の座標値と結びつけられ、成果が数値的に管理されることになるため、万が一の災害の場合にも境界を正確に復元することができ、復旧活動に迅速にとりかかることが可能となります。
8 課税の適正化
土地一筆ごとの正確な地目や面積が把握されるため、課税の適正化・公平化を図ることができます。
更新日:2021年01月08日