国指定重要文化財 小玉家住宅
配置図
小玉家は、小玉醸造株式会社の創業家で、家業のかたわら奥羽本線羽後飯塚駅や郵便局・銀行出張所の誘致、耕地整理などを手がけ、地域の振興に尽力した。
小玉家住宅主屋は、秋田地方の伝統的な民家の座敷構成を継承しつつ、多彩な庭園鑑賞を眼目とした接客空間を構成している。吟味された秋田杉の良材や銘木を用いて精緻に施工されており、優れた意匠をもつ近代の和風建築として価値が高い。また敷地内の3棟の蔵は、近代工法と伝統的意匠を融和させた洗練されたつくりで、地域の近代化を牽引した醸造家の屋敷構えをよく伝えており、庭門及び宅地と併せて、平成20年12月、国より重要文化財の指定を受けた。
重要文化財指定年月日 | 2008年12月2日(平成20年12月2日) |
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重要文化財指定基準1 | (一)意匠的に優秀なもの |
指定番号 | 02533 |
大正12年(1923)竣工、木造一部2階建、鉄板葺玄関や奥座敷などの座敷部を中心に、雁行して中二階と台所を配す。良質な秋田杉や、鉄刀木(たがやさん)などの銘木を使い、座敷飾りには漆塗りを施している。座敷と中二階は柱を極力省き、縁越しに庭園を望む。
文庫蔵(ぶんこぐら)
大正12年(1923)上棟、土蔵造り3階建、麻瓦葺1階は半地下式とし、2階南面に黒漆喰の重厚な扉を設けて主屋と接続する。外壁は漆喰塗で腰に焼過煉瓦を積む。庇を支える方杖や肘木など、秋田地方独特の意匠を見せる
米蔵(こめぐら)
大正12年(1923)竣工、木骨煉瓦造3階建、浅瓦葺東面の出入口に蔵前を設けて主屋と接続する。外壁上部は洗出し仕上げで石積風に目地を切り、腰は焼過煉瓦積とする。当初は2階建だったが、戦後階数を増やして倉庫に転用した。
車庫(しゃこ)
大正12年(1923)竣工、煉瓦造1階建、浅瓦葺
内部は3等分されており、中央を車庫、東室が旧漬物場、西室は旧薪置場である。小屋は組まず、煉瓦壁で直接母屋を受ける。外壁は意匠的に焼過煉瓦を用いる。
アクセス
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更新日:2022年07月12日