秋田県指定有形民俗文化財 八郎潟出土くり船
八郎潟出土くり船
県指定有形民俗文化財「八郎潟出土くり船」は、昭和40年(1965年)、八郎潟干拓事業中に湖底から出土した木造の丸木船です。丸太をくり抜いて造る「丸木船」の中でも全国最大級で、全長約15.8メートル、最大幅約2.7メートル、深さ平均40センチに達します。船首部分を含めると全長は約17メートルと推定されています。
江戸時代以降に使われていた潟船は、複数の杉材を組み合わせて造られており、八郎潟出土くり船とは、構造が異なります。専門家による年輪年代調査の結果、鎌倉時代前期(1200年代前半)に製作された可能性が高いことが判明しました。
その巨大な構造から、漁業用ではなく、人や動物、木材、食物などの運搬に使われたと考えられています。また、この船の存在は、中世の八郎潟周辺に高度な造船技術を持つ集団が存在したことを示す貴重な証拠でもあります。
八郎潟出土くり船は、地域の歴史や当時の暮らしを伝える貴重な文化財として、現在も保存・展示されています。
八郎潟出土くり船
八郎潟出土くり船
くり船図面














更新日:2025年12月02日